企業において有害物や化学物質を取り扱う際、安全管理は非常に重要です。
しかし、「本当に正しく管理できているのか」「資格や規則に漏れはないか」など、不安を抱える安全担当者も多いのではないでしょうか?
この記事では、有害物・化学物質の適切な管理方法、リスクアセスメントの進め方、保護具の選び方、そして必要な資格について詳しく解説します。
安全対策を万全にし、職場のリスクを最小限に抑えましょう!
1. 有害物・化学物質とは?基本をおさらい

まずは「有害物」や「化学物質」について基本的な知識を押さえておきましょう。
- 有害物とは?
人体や環境に悪影響を及ぼす物質のことを指します。
例えば、酸やアルカリ性の薬品、揮発性の高い溶剤などが該当します。 - 化学物質とは?
自然界に存在するものだけでなく、人工的に合成された物質も含まれます。
これらの化学物質には、安全に取り扱うためのルールが必要です。
日本では、「労働安全衛生法」「化学物質管理法」「特定化学物質障害予防規則(特化則)」などの規制があり、これらの法律に基づいた管理が求められます。
特に労働安全衛生法では、化学物質のリスクアセスメントの義務化や適切な管理方法が定められています。
3. 有害物・化学物質のリスクアセスメントの重要性と進め方

リスクアセスメントは、安全管理の基本です。有害物・化学物質を取り扱う際、適切な評価と対策を行うことで、事故や健康被害を防げます。
リスクアセスメントの進め方
- 危険性の特定:使用する化学物質の種類と特性を把握する
- リスクの評価:人体や環境への影響を分析し、リスクレベルを判断する
- リスクの低減策を検討:代替物の使用、保護具の着用、作業環境の改善など
- 対策の実施と見直し:定期的にチェックし、必要に応じて改善
このプロセスを定期的に行うことで、安全性を確保できます。

2. 正しい取り扱いと保管方法のポイント

有害物・化学物質の管理で特に重要なのが、適切な取り扱いと保管場所の確保です。
取り扱いのポイント
- 使用時は作業手順書を確認し、正しい方法で作業を行う
- 換気を確保し、密閉空間での使用を避ける
- こぼした場合の対処法を事前に把握しておく
保管場所のルール
- 分類ごとに分ける:酸性・アルカリ性などの性質を考慮し、相互反応を防ぐ
- 適切な容器に入れる:密閉性の高い専用容器を使用する
- 温度・湿度管理:高温多湿を避け、直射日光を避ける
- 表示ラベルの徹底:化学物質名、危険性、取り扱い注意点を明確にする
- 安全係数を考慮:予期せぬ状況に対応できるよう、保管量や容器強度に余裕を持たせる
誤った保管が原因で事故が発生するケースもあるため、厳重な管理が求められます。
3. 作業時に必要な保護具の種類と選び方

有害物・化学物質を扱う際、適切な保護具を使用することで作業者の安全を守れます。
主な保護具の種類
保護具 | 役割 |
---|---|
手袋 | 化学薬品の皮膚接触を防ぐ |
ゴーグル | 目の保護。飛沫や蒸気から守る |
マスク | 吸入による健康被害を防ぐ(防毒マスクなど) |
防護服 | 皮膚への付着を防ぐ |
安全靴 | 物質の飛散による怪我を防ぐ |
化学物質の特性に応じて、適切な保護具を選びましょう。
4. 取り扱いに必要な資格と取得方法
有害物・化学物質の取り扱いには、特定の資格が必要な場合があります。
主な資格一覧
資格名 | 内容 |
危険物取扱者(甲種・乙種・丙種) | 危険物を安全に取り扱うための国家資格 |
毒物劇物取扱責任者 | 毒物・劇物の管理・販売に必要な資格 |
特定化学物質等作業主任者 | 特定化学物質を扱う現場で必要 |
有機溶剤作業主任者 | 有機溶剤を扱う業務に従事する際に必要 |
資格取得のためには、講習の受講や試験の合格が求められます。
職場の業務内容に応じて、必要な資格を取得しましょう。
まとめ
有害物・化学物質の管理を適切に行うことで、事故や健康被害を防ぐことができます。
以下のポイントを意識しましょう。
- リスクアセスメントを定期的に実施する
- 適切な保管場所と管理方法を徹底する
- 作業時には必ず保護具を着用する
- 必要な資格を取得し、知識をアップデートする
安全管理を徹底し、安心して作業できる環境を作りましょう!
有害物・化学物質の取り扱いに関するお悩みがあれば、ぜひ専門家に相談することも検討してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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