【ヒヤリ・ハットとは?】明日から始める!現場の安全活動ガイド

製造現場や建設現場で働く皆さん、こんな経験ありませんか?

「ヒヤッとした」「ハッとした」
「あ、危なかった…」
「もう少しで事故になるところだった…」

実は、これらの「ヒヤリ・ハット」の経験は、重大な事故を防ぐための重要なヒントなんです。
でも、「報告の仕方がわからない」「現場になかなか定着しない」という声をよく聞きます。

この記事では、明日からすぐに始められるヒヤリ・ハット活動のポイントを、実践的にご紹介します。

目次

ヒヤリ・ハットの基礎知識

ヒヤリ・ハットって何?

ヒヤリ・ハットとは、重大な事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりする経験のこと。

例えば:

  • 階段で足を滑らせかけた
  • 工具を落としそうになった
  • 機械の異音に気付いた

など、日常的によくある出来事です。

なぜヒヤリ・ハットが重要?

ハインリッヒの法則によると、1件の重大事故の背後には、29件の軽微な事故と300件のヒヤリ・ハットが存在すると
されています。

つまり、ヒヤリ・ハットは重大事故の予兆なんです!

これを数字で見てると

  • 重大事故:1件
  • 軽微な事故:29件
  • ヒヤリ・ハット:300件

このことから分かるのは、ヒヤリ・ハットを見逃さず対策することで
重大事故を防げる可能性が高まるということです。

ヒヤリ・ハット活動の始め方

効果的な報告書の作り方

良い報告書には5W1Hが明確に書かれています。

STEP
When(いつ)

発生日時

STEP
Where(どこで)

発生場所

STEP
Who(誰が)

関係者

STEP
What(何が)

具体的な出来事

STEP
Why(なぜ)

想定される原因

STEP
How(どうする)

対策案


重要なのは、「具体的に書く」ことです。

悪い例:「つまずきそうになった
良い例:「床の段差(2cm程度)に足を引っかけ、転倒しそうになった

現場での収集方法

簡単な報告フォームを用意する

  • スマホで撮影した写真を添付できるようにする
  • チェックボックス形式を多用して記入の手間を減らす

報告ボックスの設置場所を工夫する

  • 休憩室や更衣室など、立ち寄りやすい場所に設置
  • 複数箇所に設置して報告のハードルを下げる

その場で報告できる仕組みづくり

  • 小さなメモ帳やカードを携帯させる
  • 現場にホワイトボードを設置して気づいたらすぐメモ

ヒヤリ・ハット活動の実践ポイント

報告しやすい環境づくり

報告者を責めない

  • 失敗を咎めるのではなく、貴重な情報提供として感謝する
  • 対策を考える際は、報告者の意見を積極的に取り入れる

素早いフィードバック

  • 報告から1週間以内に対策検討結果を共有
  • 実施した対策は現場で目に見える形で掲示

インセンティブの導入

  • 報告件数や質の高い報告に対して表彰制度を設ける
  • 安全手当や評価項目に組み込む

効果的な分析方法

発生場所・時間帯の傾向分析

  • フロアマップにプロットして危険箇所を可視化
  • 時間帯別の発生件数をグラフ化

要因分類

  • 設備的要因
  • 作業方法の要因
  • 人的要因
  • 管理的要因

優先順位付け

  • 発生頻度
  • 危険度
  • 対策の実現可能性

ヒヤリ・ハット活動の効果を高める

具体的な改善事例

設備改善例

  • 床の段差:スロープの設置
  • 暗い通路:センサーライトの設置
  • 重量物運搬:補助器具の導入

作業方法改善例

  • 二人作業の導入
  • 作業手順の見直し
  • チェックリストの作成

管理方法改善例

  • 定期点検の頻度見直し
  • 作業前ミーティングの充実
  • 安全教育の内容更新

PDCAサイクルの回し方

Plan(計画)
・報告様式の決定
・収集方法の確立
・分析方法の決定

Do(実行)
・現場への周知
・報告の収集
・データの整理

Check(評価)
・報告件数の確認
・対策の効果測定
・現場の声の収集

Act(改善)
・報告様式の改善
・収集方法の見直し
・新たな対策の検討

まとめ

【Step1:準備(1週間)】
・報告用紙の作成
・報告ボックスの設置
・現場への説明会実施

【Step2:開始(1ヶ月)】
・報告の収集開始
・週1回の分析実施
・簡単な対策から実施

【Step3:定着化(3ヶ月)】
・報告状況の確認
・効果の測定
・改善点の洗い出し

重要なのは、完璧を目指さず、まずは始めることです。
小さな成功体験を積み重ねることで、現場全体の安全意識が高まっていきます。

ヒヤリ・ハット活動は、決して難しいものではありません。

この記事を参考に、明日からでも始められる部分から、少しずつ取り組んでみてください。

現場の安全は、一人一人の「気づき」から始まります。
皆さんの職場で、効果的なヒヤリ・ハット活動が実現することを願っています。

最後に、この活動を成功させるための3つのポイントをおさらいしましょう!

  1. 報告しやすい環境づくり
  2. 素早いフィードバック
  3. 継続的な改善

明日から、あなたの職場でも始めて定着化させ、誰一人ケガしない・させない職場環境を作りましょう!

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この記事を書いた人

HUB.代表
某株式会社(製造請負業)安全衛生担当責任者

安全とは無縁の環境から安全レベルトップまで職場整備を行い
現在15年以上にわたり無災害記録を継続中

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